宮治勇輔

宮治勇輔  Twitter  プロフィール

養豚農家のこせがれ。一次産業をかっこよくて・感動があって・稼げる3K産業にするべく活動中。みやじ豚は銀座の松屋百貨店をはじめ多くの飲食店で扱われるように。毎月みやじ豚BBQ、農家のファミリービジネス研究会を開催中。都心で働く農家のこせがれに農業の魅力と可能性を伝えたい。

「オススメの本」のアーカイブ

『HELL WEEK(ヘル・ウィーク) 最速で「ダントツ」に変わる7日間レッスン』 エリック・ベルトランド・ラーセン

この本は、近年読んだ自己啓発もののハウツー本ナンバーワン。

著者は、金メダリストやビジネスエグゼクティブの敏腕メンタルコーチ。
そのノウハウをまとめた、『ダントツになりたいなら、「たったひとつの確実な技術」を教えよう』は、著者出身国ノルウェー国民の30人に1人が読んだというベストセラー。

HELL WEEKとは、著者がノルウェー士官学校時代に経験した7日間連続で自分の限界に
挑戦するトレーニングプログラム。24時間を野外で過ごし、限られた食料と睡眠時間で
任務をこなし、極限までストレスのかかる状況下での体験が原点となっている。

7日間で自分の限界に挑戦し、良い習慣を植えつけることで一段上の自分に出会う
メンタルトレーニングの要点を7つに分け1週間に割り振り、月曜日から日曜日まで、
今日何をすべきかを具体的に示してくれている。

曰く、「普段通りのことを、はるかに一生懸命に行う一週間」

月曜日の午前5時の起床と同時に開始し、日曜日の午後10時の就寝で終了する。
その間にあなたは、「それまでの自分」を「意識の高い進化した自分」に変換する。


ということで、是非とも実践したいのでメモ書き的に要点を書いておく。



ヘル・ウィークの7つのルール


◎ルール1:早寝(午後10時)早起き(午前5時)を守る

◎ルール2:成功者にふさわしい外見を常に心がける

◎ルール3:限界まで身体を動かす

◎ルール4:健康的に食べる
ジャンクフード、アルコール禁止。

◎ルール5:デジタル生活を休む
勤務時間内にプライベートでSNSを使うのは禁止。テレビの視聴も禁止。

◎ルール6:100%集中する
勤務中は仕事に集中。勤務時間に友人にメールや電話をかけるのは禁止。
その代わり、帰宅したら家庭生活に100%集中する。

◎ルール7:さらに上を目指す
真剣に作業する。
最後までやり遂げる。
積極的に行動する。
明るく振る舞う。
集中する。

ヘル・ウィークの7日間


通常の1週間に組み込む形で行う。

◎月曜日:習慣
自分の持つ「役に立つ習慣」「邪魔な習慣」を探り当てる。
どんな習慣を持ちたいか決める。
習慣を変える手段があると知り、実行する。


◎火曜日:モードとフォーカス
心のモードとフォーカスについて理解する。
1日の中で臨機応変にモードを変えてみる。
感謝すべきことにフォーカスする。
→場面とほしい結果に合わせて「最適の自分」が使い分けられるようになる。


◎水曜日:時間管理
1日の最適なスケジューリングを考え、実行する。
→優先順位が高いタスクが確実に終わる。
 「時間が足りない」慢性ストレスを解消できる。
 週間スケジュールや長期スケジュールもうまく立てられるようになる。

・計画を立てることを習慣化する。
・プランニングの秘訣は、初めに長期的な目標を定めて段階的に現実に近づけてゆく。
・年間プラン→仕事とプライベート両方の目標を入れること
・月間プラン→計画を立てる時間を必ずとっておくこと。
・週間プラン→月曜日の夜か日曜日の朝15分を確保。
・デイリープラン→維持するのが最大の難関。前日夜にまとめる。TODOリストの機能。
・ひとつのタスクを完了してから次に進む

◎木曜日:限界を1日で引き上げる
24時間眠らない。
コンフォートゾーンから出る。
→思っている以上に自分にはポテンシャルがあるとわかる。
 恐れを克服し、メンタルが強化される。

・今までの人生とはかけ離れた、できるだけ異質な1日にすること。
・木曜日の課題を金曜日の午前5時に完了。
 熱いシャワーを浴びて目を覚ます。そして健康的な朝食をとる。
・金曜日は普段通り仕事を思、普段参加している全ての活動に参加する。
・しっかりと目を開けて、すきを見つけて短く効果的な休息をとろう。

◎金曜日:休息と回復
定期的に良質な休息をとる大切さを知る。
最も効果の高い休息法を知る。
→能力不足でできないと思い込んでいたことが、休息不足のせいだったとわかる。
 短い時間で生産性が上がる。

・いい仕事をするためには、常に70%の力で毎時間、毎日、毎週、ほぼ同じテンポで
 仕事をこなすのではなく、きちんと休んで、ピーク水準でのパフォーマンスの時間を
 頻繁に作ること。オンとオフの切り替えを増やす。

◎土曜日:新しい思考力
「心のつぶやき」が強力なツールになること。
結果を出すための心のつぶやきを覚える
→本来備わっていた意志力が自然に目覚める。
 「正しい質問」を使って脳の力を引き出せるようになる。

・心はいつもつぶやいていて、それが人生を決めている。
・誰もが日々起きてから夜眠るまで続けている絶え間ない自分との会話。
 この心のつぶやきの一部をコントロールし、意識的に操縦できれば、
 劇的なパフォーマンスの改善が期待できる。
・ネガティブな思考が浮かんできたら、「大丈夫、うまくいく」とつぶやいて
 ネガティブな思考を追い払う。
・私は恐い→訓練も準備も十分してきたから、必ずうまくいく。
・緊張している→プレッシャーは朝飯前だ
・つぶやきたい言葉は前もって考えておく。
・常に成長を続けたいのなら、心のつぶやきは、正しい方向に前進するための
 強力なツールになる。
・人生のクオリティを決めるのは「自分にどんな質問をするか」
・新しいプロジェクトを開始するとき「大成功させるために私は何をすればいい?」
 と自問すると、脳が具体的な答えを探し始める。
・質問と答えを常に意識すると、状況によって正しく質問ができるようになる。

◎日曜日:人生を俯瞰で見る
プロジェクトの成功を大いに祝う。
準備段階で俯瞰したときと比べる。
→ダントツに変わった自分を実感する。
 「めざす到達点」が新しく見える。

・1週間を振り返り、思いを巡らせてみよう。
・散歩に出かけるか、心を鎮められる静かな部屋に座って行おう。





農家が読むべきビジネス書【ファミリービジネス】

▼家族経営に対するマイナスイメージ

突然ですが、農家のこせがれの皆さん、

「家族経営なんてかっこ悪い」

なんて思った経験はありませんか?

僕が実家に帰って就農したのは社会人5年目の時でした。
30歳までに何らかの形で起業したいという気持ちはあれど、社会人1年目までは正直、「親父の後を継いで農家にだけはなりたくない」と思っていました。

就職して働いたことがない学生当時、農業や家族経営について漠然と、
「かっこ悪い」な、だから、
「他の仕事がしたい」と思っていました。


▼既存のビジネス書では語られなかった、家族経営のメリット

就職すると、30歳までに起業したいと思っていた僕は、漫然と仕事をするだけではダメだと考えました。出勤前の時間を読書の時間に充てました。ビジネス書を中心に、多い年は100冊以上読んだはずです。

経営戦略、ブランディング、組織論、ケーススタディなどなど、経営に関するありとあらゆる情報が手に入ります。もちろん、今でもビジネス書に関する情報を定期的に仕入れて、「これは!」と思った本は実際に購入して読んでいます。

ですが、家族経営、
言わばファミリービジネスに特化した内容のビジネス書はなかなかありません。

そこで今回は、ファミリービジネスの視点からまとめたビジネス書をご紹介したいと思います。

きっと、この本を読むことでファミリービジネスに対する印象が変わるはずです。

ファミリービジネスの教科書として、ぜひ御一読あれ






●本の内容

「ファミリービジネスの経営者」という強い自覚を持っている星野リゾートの星野佳路社長と、各業界で家業を継いだ若き社長との対談形式になっています。


●【参考:対談相手】

・コーセー/小林一人俊社長
・ゼビオ/諸橋友良社長
・日本交通/川鍋一朗社長
・榮川酒造/宮森優治社長
・ホッピービバレッジ/石渡美奈社長ら

実は僕も対談相手として登場しています(笑)


家族経営の特有の悩みである、「子どもが親のあとを継ぐか継がないか」については、

・星野佳路が語る「ファミリービジネス進化論」

・「親の会社だから当たり前」という「理想の息子、娘」にも落とし穴がある

・「継ぐかもしれない」意識と社会人として「どう生きるか」が重なり合う

・後継者が自分から気持ちを変えるには、人生経験を積む中での「きっかけ」が重要

・息子、娘以外の人材が「継ぐ」方法や兄弟のメリットの生かし方を考える

など、様々な言及がされています。

きっと、農家のこせがれの皆さんには、響くと思います。
農家のこせがれだけでなく、実家が家業をされている方はぜひ読んで欲しいです。

『100番目のメッセージ』メッセージプロジェクト編


学生5人組による企画出版。
各業界で活躍する人から若手社会人や学生を勇気づけるメッセージをもらい、本として出版することで多くの人に読んでもらうというもの。

99名のメッセージを集め編集してある。あとは、100番目のメッセージを記載する欄に、あなたのメッセージを記入することでこの本は完成する。

2月初旬には本屋に並ぶそうだが、アマゾンの予約受付も介したそうだ。みやじ著の『湘南の風に吹かれて豚を売る』と同じくかんき出版から。

出版に向けて、取材の様子を綴ったブログも秀逸だね。
http://ameblo.jp/kankikids2010/


これから社会に出る若者、そして社会人として数年が経過し、少し働くモチベーションが下がってきたなという若者にオススメ!

100番目のメッセージ
100番目のメッセージ

『日本は世界第5位の農業大国〜大嘘だらけの食料自給率』

ヤバイ本が出版されてしまいました。

日本の農業の大きな可能性を語る本ですが、一方で食料自給率は日本の農水省が考え出した数字で、国家予算を獲得するためにあえて日本の農業の弱い部分を強調し食糧危機の不安を煽るものだと喝破しています。

あっという間に増刷でかなり人気が高いようです。

農業者の方、農業や食料問題に関心のある全ての方にオススメです。
農業にまつわる豊富なデータは永久保存版ものです。

みやじも僭越ながら発起人に名を連ねさせて頂きました。
発起人の方々、現在の日本の農業を論じる上で外せない有力な農業経営者やジャーナリストの方々が名を連ねているので、参考までに記載します。

▼発起人一覧  50音順  

青山 浩子(農業ジャーナリスト)

市川 稔(いちかわライスビジネス株式会社 代表取締役社長)

大泉 一貫(宮城大学大学院教授)

荻原 昌真(『Agrizm』編集長、全国農業青年クラブ連絡協議会会長、有限会社信州ファーム荻原農場長)

叶 芳和(帝京平成大学 現代ライフ学部教授)

木内 博一(農業組合法人和郷園 代表理事)

木村 慎一(有限会社サンアップル醸造ジャパン 代表取締役)

坂上 隆(有限会社さかうえ 代表取締役社長)

関 祐二(農業コンサルタント)

高橋 がなり(国立ファーム有限会社 代表取締役)

財部 誠一(経済ジャーナリスト)

田中 真知(作家・翻訳家)

土門 剛(農業ジャーナリスト)

西田 研志(法律事務所MIRAIO 所長)

西田 裕紀(株式会社 Life Lab 代表取締役)

八田 達夫(政策研究大学院大学 学長)

兵藤 保(四万騎農園)

本間 正義(東京大学 大学院農学生命科学研究科教授)

松尾 雅彦(カルビー株式会社 相談役/日本スナック・シリアルフーズ協会会長)

宮治 勇輔(NPO法人農家のこせがれネットワーク 代表理事、株式会社 みやじ豚 代表取締役)

山下 一仁(経済産業研究所 上席研究員)

米倉 誠一郎(一橋大学イノベーション研究所教授)


【発起人代表】
昆 吉則 (株式会社農業技術通信社 代表取締役、『農業経営者』編集長)


帝王学 「貞観政要」の読み方 山本七平

「帝王学」という言葉は昔からよく聞く。
だが、「帝王学」とはどういうものなのかは正直よく知らなかった。


帝王学を学ぶために読む書のはじめとしてオススメできるのがこの本。

この本では帝王学の古典として、中国は唐の時代の名君大宗と家臣たちの
やりとりをまとめて本「貞観政要(じょうがんせいよう)」を著者が解説している。

日本では、北条政子と徳川家康がこの本に最も影響を受けた日本人だろうと分析している。

貞観政要を代表する大宗と家臣との問答、

「草創と守文といずれが難き」(「創業」と「維持」はどちらが難しいか)

が貞観政要を物語っていると思うのだが、
唐の基盤を築いた大宗は創業と共に守文もうまくやった。(ただし、後継者問題は苦労した)


この守文をどのように行っていくのか、その心構えをまとめたものが貞観政要なのだろう。


だから、
頼朝死後の陰の実力者北条政子と、信長・秀吉の時代を生き抜き天下を統一した
徳川家康は守文の難しさを思い、この貞観政要に答えを求めたのだろう。


最後の解説に守屋洋さんが解説を書き、貞観政要の要点を5つでまとめているので
簡単に書き記しておく。


1:「安きに居りて危うきを思う」

 安泰なときや好調なときほど、将来の危機に思いを致して、いっそう気持ちを
 引き締めること

2:「率先垂範、我が身を正す」

 トップが十分な説得力を発揮するためには、まず、みずからの身を正さなければならない

3:「臣下の諫言に耳を傾ける」

 貞観政要はまさにこのやりとりをまとめたものと言っていい。大宗も生まれながらの名君だった
 わけではない。臣下の諫言を積極的に受入れ、彼らの批判に耐えることによって、みずからを
 大きく、たくましい人間に鍛え上げていった。

4:「自己コントロールに徹する」

 トップには権力が集中する。しかし、その権力を自分勝手に行使したのでは、たちまち
 トップ失格となるらしい。大宗はそういう点でも自戒を怠らなかった。

5:「態度は謙虚、発言は慎重に」

 大宗は皇帝の位について間もなく、こう語っている。
 「天子たる者、謙虚さを忘れて不遜な態度をとれば、かりに正道を踏み外したとき、
  その非を指摘してくれる者など一人もおるまい。和足は一言述べようとするたびに、
  また、何ぞ行動を起こそうとするたびに、必ず天の意思にかなっているだろうか、
  そしてまた臣下の意向にかなっているだろうかと自戒して、慎重を期している。
  なぜなら、天はあのように高くはあるが下々のことに通じているし、臣下の者はまた
  絶えず君主の一挙一動に注目しているからである。
  だから、つとめて謙虚に振る舞いながら、私の語ること行うことが、天の意思と
  人民の意向に合致しているかどうか、反省を怠らないのである。」


帝王学というと仰々しいが、現代を生きる私たちも何かしらの点では権力者となるうる。
子育てをしている母親も然り、教員も然り、企業経営者も然り、権力者が気をつけなければ
ならないこととして読むと、私たちも気をつけなければならないことだと身を引き締められる
思いがする。





帝王学―「貞観政要」の読み方

みやじオススメの本