2007年12月03日

『ソムリエール』 城アラキ原作 松井勝法漫画 堀賢一監修 集英社ヤングジャンプコミックス

ソムリエール、面白い。

ワイン漫画はどれも面白いが、ソムリエールは特にオススメ。

ワインは、国によって・品種によって・畑によって味が当然違ってくるものなのだが、当然生産者によっても味が変わってくる。そして、生産者にはそれぞれ素晴らしいエピソードがある。
ワインづくりの課程に、生産者の情熱、挫折、喜び全てが詰まっている。ワインが持っている素晴らしいストーリーを、登場人物の現在の心境や立場に合わせて紹介するソムリエール。

登場人物はワインのストーリーに共感する。ワインという飲み物が、人間の舌鼓だけでなく、心までをも打つ。


かつては天才ソムリエとしての名声を獲得していたが、ワインへの情熱を失いレストランの支配人をしている片瀬という登場人物がいる。主人公のソムリエール(正式には見習い)は、そのお店で働くアルバイト。

片瀬は仲違いをしている父親の体調が悪くなったと知ると店を休んで実家に戻る。ある出来事がきっかけでワイン嫌いになった父のために用意したワインがバローロのエリオ・アルターレという作り手のワイン。

今は世界的にも最高品質のワインを産出するイタリアはバローロ。昔から非常によいワインを作ってきた産地だったが、昔ながらのやり方に固執して良いワインができなかった時代があるという。

バローロの生産者の後継ぎエリオ・アルターレは思い悩んだ末にブルゴーニュに修行に行く。戻ってくると、父親に逆らってブルゴーニュで学んだ作り方を導入。

父親とは死ぬまで断絶状態だったが、バローロはかつての名声を取り戻した。


そんなワインの持つストーリーと、旅館を経営してきた父と、家を捨て父の嫌いなワインの世界へ行ってしまった片瀬のストーリーを理解するとソムリエールは、仲をとりもつべく熱く語り出す。




エリオ・アルターレは、名刺の肩書きは「ぶどう栽培者」としてあるそうだ。

その一行にこめた想い。父親に対して、

自分のあなたと同じ農民なんだ、見つめる先は違えど土地と生きる農民なんだ!その誇りは変わらない、お父さんの誇りは僕が受け継いでいる・・・

そんな気持ちなんだと思いますとソムリエールは話をする。





昔のやり方に固執する親父と、新しいやり方を導入しようとしてぶつかる2代目。
そんな、親父と2代目(後継者)の物語はどこの国でもどんな業界にも存在している。

小さな会社を経営する親父と2代目が、家族団らんのひとときにみやじ豚を食べながら、湘南にはそんな養豚農家がいるそうだ、なんて話をしてもらえれば最高だ。

僕も、自分と親父のやりとりを思い出して、エリオ・アルターレという作り手のワインを飲みたくなった。


漫画も結構好きなんです。



ソムリエール 4 (4) (ヤングジャンプコミックス)


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コメント一覧

1. Posted by サン    2007年12月04日 08:48
5 上手い!やられた!! そうして >>ワインという飲み物が、人間の舌鼓だけでなく、心までをも打つ<< このフレーズを頂きました♪ みやじ豚ほど旨いコラムに心も、膝も痛打してしまいました。 ありがとう サン

2. Posted by みやじ豚.com    2007年12月09日 16:42
サン様、コメントありがとうございます☆

お褒めいただきありがとうございます。
お恥ずかしい限りですが、
これからもよろしくお願いいたします・・・

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