2007年08月06日

隠岐の島海士編〜特殊な冷凍技術で海士の海産物をブランド化、そして漁業を守る



高校での講演が終わり、CAS凍結センターを見学に行く。
CASというのは、Cells Alive System(細胞が生きている)の略で、冷凍の際に
細胞を傷めずに美味しさを保つことができる特殊な冷凍技術。

そのシステムを活用して海産物の加工や冷凍を行っているのは、海士町の
第三セクター株式会社ふるさと海士。
このCASの設備投資には5億円かかっているそうだ。海士町の年間予算は40億円弱。
どうやら、町内での評判はあまりよくない。漁業はもうだめなのに、あんなに
お金をかけて・・・という雰囲気が町内にあるようだ。



産業創出課でこのCAS凍結センター担当の濱中さんからお話を伺う。
海士町濱中さん





















・・・やはり、漁業は厳しいようだ。全体の漁獲量も10年前の3分1になったそうだ。
そして、隠岐には市場がない。朝水あげしたものを集荷して朝10時のフェリーに乗せる。
お昼過ぎに境港に到着する。すると競りにかけられるのは翌日。運送費と1日のハンデを
背負うことになる。

CASで凍らせれば直販できる。
外食産業が大きなお客さまになるので、規格にも非常に気を遣っている。
隣のお皿と比べて大きい小さいがでてしまうと、クレームの元になるため。
規格は例えばいかであれば5つに分けているそうだ。あまり大きくてもいけないし小さくても
いけない。ちょうどいい大きさのものは売れるけど、大きすぎるものや小さすぎるものは
なかなか売れない。だから、加工品の開発を行っている。

CASイカ丸ごと




















CASいかそうめん用


























CASで生牡蠣





















すごい努力をしている。自分たちの町のことを考えて頑張っているのに、町民から
なかなか理解を得られないのは悲しいことだと思う。


海士町の主要産業は、農林水産業。歴史的にも半農半漁が基本の海士町では漁業は重要
な産業のはず。また、観光業も重要な産業になるはず。僕も民宿でおいしい海の幸を
堪能した。漁業をやめてしまったらどうなるのだろうか。この海の幸は楽しめなくなる
のだろう。そうなると、正直隠岐の島に魅力は感じなくなる。苦しくても漁業は残さない
といけないと僕は思う。


ふるさと海士では、市場価格は関係なく年間固定価格で買い上げてくれる。
これは、相場に左右されて苦労する一次産業者にとっては非常に有り難いことだ。
市場価格の高いに時には市場で売ればよい。

ところが、昨年度は水あげされたイカの8割はふるさと海士が買い取ったという。
これは驚き。通常の市場出しでは漁業はやっていけないことをあらわしている。



町内におけるCASの評判は芳しくなかったが、これは隠岐の島の漁業を守るためには
必要不可欠なものだと見受けた。


そして僕が面白いな〜と思ったのは、
市場に出すと決して名乗れない「隠岐産」を名乗れることだ。
この「隠岐産」が評価を受けてセコムの食にも取り上げられたそうだ。


隠岐牛もそうだし、このふるさと海士の取り組みもそうだが、隠岐の島・海士町では
一生懸命「隠岐ブランド」をつくりあげている。


本当に素晴らしい取り組みだ。



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